茶房 とげとげ庵

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<<   作成日時 : 2016/10/29 01:07   >>

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 ラジオの書評を耳にして、23時の大学図書館に立ち寄り、文芸春秋を手に取った。なるほどこれはおもしろい。一見、風変わりな人物を描いているようでいて、実際のところはいたるところに遍在するごくありふれた問題意識を浮き彫りにしている。主人公は架空の極端な人物だけれど、誰しも一片ほどは共感を覚えてしまうはずだ。みんなが踏みとどまっている一線の向こうから眺めると、世界はこんなふうに映るのだろうなあと思った。
 動物が築いてきた社会の営みは、いつまでも観察していたいと思わせる奥深さがある。異なるパラメータを割り振られた各個体がどのような相互作用網を形作り、群れのダイナミクスにおいていかにふるまうのかという問題は、分類群のいかんを問わず興味深い題材だろう。ましてやその舞台が人間の社会となれば、面白くないはずがないのだ。
 多数の個体によって構成される群れを維持するために、行動や思考,意思疎通の様式が共有されることは大切だ。一方で、多数の個体からなるがゆえに、共通の規範から大きく逸脱する個体があらわれることもまた必然的ではなかろうか。なくて七癖、なんて言葉を引き合いに出すまでもなく、真に平均的な個体は存在しないので、多かれ少なかれ誰しもが共通の規範とのずれを経験するはずだ。群れ全体とそれぞれの個体の間に生じる齟齬は、どのように処理されるのか(あるいはされないのか)?「コンビニ人間」は、そんな普遍的な現象を扱っているように思われた。個人的には、社会性昆虫の個体とコロニーのコンフリクトにも近しい問題意識を感じる。コンビニという箱の中で、各個体の行動をつぶさに記述する筆致は、さながら優れた観察者の報文といったところだ。ところで、虫と違って、各個人は感情をもっている。めいめいがそれぞれの感覚で怒ったり悲しんだりするから、ヒトの社会はより一層面白い。人間の気持ちについても考えを巡らせたい。

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