茶房 とげとげ庵

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zoom RSS これが僕の夏

<<   作成日時 : 2015/09/16 01:46   >>

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 大学3年生の夏休みは、人生で最後の夏休みなのだそうだ。来年から始まる卒研、やがて訪れる就活競争、いずれ放り出される社会人生活を思い浮かべれば、なるほどその通りなのかもしれない。学科の同期の面々も、思い出をたくさんつくると息巻いている。Facebookをひらいてみれば、まばゆく輝く「友達」たちの笑顔が、タグ付けされてベルトコンベヤーよろしくスクロールされていく。ひと夏の思い出は一生の記憶に刻まれるのか、はたまたひととき「いいね!」を集めてその役目を終えるのか。ちかごろのSNSの隆盛にはぞっとしない。

 まぁ僕はいささか偏屈過ぎるのだろうし、ブログなんか書いてる時点でどのみち同じ穴の狢といったところなのだろう。SNSに限った話ではなく、世間様がそら楽しめと提示なさる諸々のコンテンツを素直に享受できないのは本当に残念なことだ。AKBもEXILEもボーカロイドも、若者向けのファッションも流行りのテレビ番組もディズニーランドも、あれだけ多くの人に消費されているのだからさぞかし面白いはずだ。その良さがわからないのが本当にもどかしい。

 それでもこの世界で楽しくやっていかなければ人生は愉快でない。ならばまあ自分のやりたいことをやりたいようにやらせていただくしか仕方がなかろう。

 この夏は6月に西表島の調査と三重県で絶滅危惧種のトンボの観察会、7月には静岡の下田で実習、東京でアリの観察会、8月には学会のため渡濠、富士山麓で研究会、9月は長野の菅平、八ヶ岳、白馬を回って実習と調査、さらに茨城県北部の御前山でも実習と、常に生物学に触れていられた。標本整理のアルバイトも捗った。これらの合間にいくつかの同窓会や高校生の研究発表会に参加したり、東京の友人がアパートに泊まりに来たり、実家に帰省して風邪をひいたりしていたのだからまあまあ忙しかった。おおよそこれが僕の僕らしい最後の夏休みなのだろうなあ。

 さて、他方では弟が高校生活最後の夏休みを終えた。進学クラスを選んだ僕と違って、系列校への推薦入学を当てにしている彼は、3年目の夏を部活動に捧げたらしい。彼を見ていると、3年前に録画していた裏番組を見ているような気分になる。僕らが受験に立ち向かっていた高校最後の夏、推薦クラスのみんなはこんな風に過ごしていたのか。僕のあずかり知らないところで起こっていたはずの出来事を、弟を通して見ているのだ。

 受験にある程度成功した学生が通う大学で学んでいるけれど、案外「死にたい」とか口走る輩が身近にいていささかビビる。やる気さえあれば何不自由なく勉強できる環境に身を置きながら、とらえどころのない不安や閉塞感に駆られて身を持ち崩すのはなぜだろう。僕にできることといったら、彼らの心理状態がどのようなプロセスをたどったのか推し量ることくらいだ。

 もうすぐ夏が終わる。晩夏から晩秋は一番好きな季節だ。楽しみなイベントもいくつかある。

 この記事を読み返して気付いたが、僕の文章には感情表現が乏しいかもしれない。感想ではあるが感情が薄いような気がするなあ。冷静に考えて、僕はもう少しアツく生きるべきなのだろうか。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
庵主どのが、最後にふさわしいいかにもな夏を過ごされましたこと、お慶び申し上げます。

昨日は、本当にどうもありがとうございました。お話を伺って、何だか、ぼんやりしていた輪郭がちょっとはっきりしていくような感覚が。とても感謝です。
裏番組… なるほど、私は、子どもの歩みを通して、裏番組を見ているのかな。平和な家庭で、好きなことに夢中になって、知識や経験や出会いに恵まれて。生き物は不思議でとても面白いよね。自分の当時は、そこに立ち止まらなかったから触れて感じることがなかったのだけど。
今、大切な時間を生きている皆さんが、幸せでありますように、幸せに歩まれますように。
oyaU
2015/09/21 14:02
>oyaU さま
先日は学生風情が知ったような口をきいてしまいすみませんでした。
僕の高校時代にもいろいろな心配事がありましたが、よい環境が用意されていたおかげで、生き物の面白さへの興味だけは尽きることがありませんでした。現在の制度は当時よりも整っています。また研究の進展について伺うことができるのを楽しみにしております。
印度川
2015/09/26 03:20

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